日本人のがんの中で、死因トップ3には入らないけれど
私が実際に42歳でなった「悪性リンパ腫」について、患者目線で書きます。
- 前置き
- 悪性リンパ腫とは
- 悪性リンパ腫になると現れる症状
- 悪性リンパ腫が見つかるパターン
- 悪性リンパ腫のステージ数
- 悪性リンパ腫の検査と治療
- 抗がん剤治療の副作用について
- 抗がん剤→副作用→日常生活へ
- 抗体療法
- 副作用があまり出ない人の特徴
- 悪性リンパ腫の再発について
- 最後に
前置き
「悪性リンパ腫です」と言われた瞬間の、計り知れない不安な気持ち。
自分が、癌?がん?悪性リンパ腫!?なんで?
怖くて、怖くて、仕方がない気持ち。
これは、実際に経験した人にしか、わからないものです
そんでもって、その気持ちから立て直したり開き直ったりしながら、未来を見る思考に切り替えることも、実際に経験した人にしかわからない
そして、ご家族やパートナー…大切な方が悪性リンパ腫と診断された方の気持ちは
その人たちにしかわからない。罹患者にもわからないものだと思っています
それでも、その人たちの話を聞くことで想像することはできる
だから、今はがんと無縁の生活を送っている方々にも、かなりの確率でやって来るがんというものを、他人事ではなく自分ごとに捉えていただけたら・・・
そんな風に、思っています
悪性リンパ腫と一言で言っても、70種類以上あるので、私が確実に言えるのは「濾胞性リンパ腫」と診断された者であるということ。そして、リツキサンとトレアキシンで治療をしました。似ている状況にある方で、いてもたってもいられない・・・そんなあなたに届くことを願います。
もちろん、担当のお医者様ときちんとお話される事が大切ですし、私はただの患者なので、あなたの状態を診断することは当然できませんが、検査までの空白の時間や、検査が終わってから結果が出るまでの時間に、いてもたってもいられない気持ちでぐるぐるしてしまう気持ちは、過去に散々味わいました。
どうか、必要以上に気持ちを追い込まないで下さい。
不安な気持ちを自分の中で掻き立てると、不安がたくさん集まってきます。
1度、深呼吸してみて下さい
治療を終えて、今ここであれこれ発信している人間が、確かに存在しています
ゆっくり、呼吸を繰り返して下さい
繰り返し言います
今現在、がんと無関係の方も
知っていることで、万が一の時に心の余裕が出ると思うので、良かったら読んで下さい
悪性リンパ腫とは
悪性リンパ腫は、血液のがんで
赤血球、白血球、リンパ球とある中の、リンパ球が癌化したものです
痛みを伴わないので、自覚症状が現れにくく、診断が出るときにはステージ3とか4とかの人が多いそうです(ちなみに私は全くの無症状でステージ4でした)
リンパは全身に巡っているので、どこにでもできます
首や鼠蹊部など、塊になったものを触りやすい場所にできた場合は、しこりによって気づくこともありますが、大体のしこりはリンパ腫ではないことが多くて、やっぱり発見は遅めなのが特徴みたいです
悪性リンパ腫になると現れる症状
自覚症状が現れにくいと言っても、一応症状はあるようで
寝汗がひどいとか、疲れやすいとか、熱が出るとか、体重が減るとか・・・これだけ読んでも、まさかそれがリンパ腫だなんて思わないですよね。
悪性リンパ腫が見つかるパターン
- しこりによって見つかる…皮膚科や耳鼻科からの紹介状になると思われます
- 体調不良から見つかる…内科からですかねぇ
- 健康診断の画像診断で見つかる←私、これです
悪性リンパ腫のステージ数
他のがんと違って、悪性リンパ腫はステージ1〜4で重症度が変わるわけではないです。リンパ腫の広がり(進行具合)を表しています。
進行速度などで悪性度が変わり、様々な病型が存在していて、70種類以上あります。
- 低悪性度…年単位で進行する
- 中悪性度…月単位〜週単位で進行する
- 高悪性度…週単位〜日単位で進行する
高悪性度で診断されたら、やばそうな感じが素人的にはしてしまいますが
適切なタイミングで発見して適切な治療を行うことがとにかく大切とのことです。
ステージ数は以下の通り
- ステージ1…リンパ腫が1つ
- ステージ2…リンパ腫が2つ以上あるけど、横隔膜を界に上下どっちかだけにある
- ステージ3…リンパ腫が2つ以上あって、横隔膜を界に上にも下にもある
- ステージ4…骨髄にも行っていて、全身に回っている状態
私は、ステージ4でしたが全くの無症状でした。
あの健康診断で先生が見つけてくれなかったら…どうなっていたのかなぁ〜と、今でも時々想像します。
悪性リンパ腫の検査と治療
どのリンパ腫なのか?を特定するのが、とにかく大切
なので、検査をしている時から治療が始まっていると言っても過言ではないと思います
血液検査、画像診断、生検検査の3つですが、結果が出るまでに1ヶ月近くかかることもあります。
画像診断はCTとPET-CT…生検検査は骨髄生検もやります
それぞれの詳しい内容については、また別の機会に・・・
悪性リンパ腫は外科的手術で取り除くことができないので、抗がん剤治療や放射線治療となります。
私は2ヶ月に一回の投薬でした
抗がん剤治療の副作用について
1回目の投薬スタートから5分くらい経った時に、強く反応が出る傾向にあるそうです
投薬後すぐに出る反応と、投薬後1週間くらいしてから出る反応、2週間くらいしてから出る反応・・・様々ありますが、本当に個人差が大きいです
嘔吐、発熱、倦怠感、手足のしびれや脱毛など…本当に様々です
吐き気どめが進化していて、ゲーゲー吐いてしまうような副作用はあまりないと聞きます。私は、自分のつわりくらいの感じでした。←でもこれも、個人差ありますしね
リツキサンとトレアキシンというセットは、脱毛もありませんでした
ただし、免疫抑制が長期に渡って起こるため、2年4ヶ月経ってもずーっと白血球数値が2000くらいから元に戻っていません。
インフルエンザワクチンなどの抗体も付きにくいので、予防接種をしても意味がないということで、そこらへんも困ったもんです。
抗がん剤→副作用→日常生活へ
私のサイクルです
抗がん剤を打つと、そこから1週間くらいは家でゴロゴロする生活が中心でした
1週間もすると、ムカムカや倦怠感も収まって来るので、そこからは外に出て運動をしていました
食べたいものを、食べたいだけ食べる生活をしていました
食べれない時は、冷たいうどんやアイス、ヨーグルトやゼリーを食べていました
とにかく食べてました(笑)
抗体療法
抗がん剤治療が終わった後、やる人はやります
医師が説明しないケースもあるようですが、12回1セットで、1ヶ月に1回抗体薬のみ投薬。こちらは副作用は無いと言っても過言ではないです
やるやらないで、再発へのリスクは大きくは変わらないと説明を受けました
副作用があまり出ない人の特徴
運動をしている人は、副作用が弱い傾向にあるそうです
それから、副作用が出ているしんどいどきに、そのしんどさに抗わない意識の持ち方をできる人も、そこまで苦しまずに済んでいるような気がします。
「しんどい時は、これをする。あれをする。また、こうゆうことは諦める」とかっていう風に、あらかじめ決めておくと良いのかもしれません!
悪性リンパ腫の再発について
濾胞性リンパ腫は、治りやすいけど再発しやすいがんだと聞きます。
とはいえ、再発に怯える生活を送っても意味がないと私は思います。
再発したらどうしよう・・・と、毎日不安にかられながら生活して、結局交通事故で死んでしまったりとかしたら。。。1日、1日は、目の前のことを楽しむことに全集中して、ウキウキ生きて行きましょう!
しかも、再発のことを考えて不安に暮らす人よりも、あっけらかんと生活している人の方が、再発の可能性が低いという統計があったり、生存年数が長いなんていうデータもあるんだそうです。
毎日ウキウキ楽しく過ごせて、しかもその方が長く生きていられるなら、再発のことなんて不安に思う必要、全く無いですよね!!
最後に
私が悪性リンパ腫だとわかった時、看護士をやっているリアルな知り合いからこう言われたことがあります。
「リンパ腫で、ラッキーだったよ」
どうゆうこと?と思って、その時は腹が立ったのを覚えていますが
手の施しようの無いがんが様々ある中で
新薬が発達していて、治療が効きやすく治りやすいリンパ腫なんだから安心して治療してこい!ということだったみたいです
だからって、ラッキーってどうゆことよ、と
今でも思います(笑)
それでも、がんという…人生の中で捉えたら最悪な出来事を経験した私は、それを乗り越えて今ここで生きています。
この経験をアウトプットすることで、自分よりも後に悪性リンパ腫の検査をしたり、治療に向き合う方々に、今自分がこうして元気にしている姿をお見せすることで少しでも治療へのモチベーションをあげるきっかけにしてもらえたらと思って活動しています
がんを他人事にしないで、自分ごととして「今からできることがあるよ」とお伝えすることをしたいと思って活動しています
がんを経験して、生きがいが生まれました
なんとなく生きていた自分をリセットして、命を燃やしながら生活するエネルギーを、私は悪性リンパ腫に罹患したことで手に入れました。
命は、短くて
そこにあって当たり前のものです
失いたく無いと思った時は、何かアクシデントがあった時
失ってその大切さに気づくのでは、遅いんです
当たり前を、少しだけ意識的なものに変えて
今からできる健康活動をするきっかけになってくれたらいいなと思います。
- 日常生活の中で、無理なく続けられる運動
- ゆっくりできる時間、そして睡眠
- いろんなものを、ちょっとずつ食べること
- そして、自分の一番やりたいことを日々最優先して生活する自分軸の思考
ぜひ、一度見直してみてください。
ではでは、また〜